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木を材料に新素材、「ニッチ」に活路 富士の天間特殊製紙 /静岡県

 インテリア用の建材用紙などで高いシェアを持つ富士市の天間特殊製紙(金子武正社長)。社員約200人の中小企業が、木を原料とする新素材セルロースナノファイバー(CNF)の生産に乗りだそうとしている。9月にテスト生産設備を備えた新素材開発研究室をスタートさせ、来年には衛生関連の分野で最初の商品化を目指すという。
 11月28日、川勝平太知事が「現場主義」として実践している「移動知事室」の東部地域視察で天間特殊製紙を訪問。稼働を始めたCNF生産設備も見学した。
 同社によると、CNFの商品化は来年、衛生関連分野からスタートするが、将来的な本命はリチウムイオン電池でショートを防止するために使われる薄いフィルム状の部品「セパレーター」という。現在はポリエチレンなどが材料に使われる。昨年、国のものづくり補助金を得てCNFの生産機械を導入。素材のCNFから製品までの一貫製造を目指す。すでに従来品より耐熱性の高いセパレーターの製造に成功している。
 電気自動車(EV)やハイブリッド車で使われるリチウムイオン電池は需要が拡大しており、セパレーターの市場も大きな伸びが見込まれる。CNFの生産コストが下がれば、ポリエチレンと一気に置き換わる可能性がある。川勝知事も「富士市には原材料(森林資源)が十分にあり、これに技術が結びつけば非常に期待できる」と激励した。
 会社の創業は1954年。当初は複写用カーボン紙などを製造していたが、建材や家具の合板に張る、模様を印刷した薄葉紙や、果実栽培に使う「育果紙」など、様々な特殊紙に分野を広げていった。輸出比率は約4割を占め、建材紙では世界で約76%のシェアを持つ。「ニッチ(隙間)な世界でトップシェア」が合言葉。新素材CNFでは、同じ富士市内に工場を持つ日本製紙などの大企業も開発に取り組んでいる。中小企業でも、「新しい商品を作れば、世界の市場を取れる」と社内の意気は上がっている。

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