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山岳のプロ、修士課程で育成 山梨大、筑波・信州・静岡大と連携 来春開始 /山梨県

 山梨大は筑波、信州、静岡の3大学と連携し、山岳科学を総合的に学べる大学院修士課程のプログラムを来春から始める。理学や農学、工学などにまたがる幅広い領域を学び、山岳地帯の環境保全や防災、地域再生など多彩な分野で活躍する人材の育成をめざす。

 山梨大によると、大学院生命環境学専攻の地域環境マネジメントコース(募集定員10人)に所属する学生のうち、希望者が山岳科学のプログラムで学ぶ。山梨大の教員は、生物多様性や防災、微生物などを専門とする約10人がプログラムに参加する。
 他大学の講義も選択制で50科目ほど用意される。山梨大は河川や大気、筑波大は生態や地質、信州大は山岳気象や地形、静岡大は林学や砂防など、各大学は特色ある研究分野を持ち、連携によって、より幅広く高度な教育が可能になるという。遠隔講義システムを使い、他大学の講義も山梨大で受けられる。
 4大学はいずれも日本アルプスがある中部山岳地域に研究拠点を持ち、各施設を利用した実習にも参加できる。修了後の進路としては公務員、研究者、農林業組合、NPOなどが想定されるという。
 山梨大でプログラム代表を務める岩田智也准教授は「山梨県は山や森林をどう活用するかが重要なテーマだが、山岳科学は広い分野にまたがり、山梨大だけでは必ずしも十分にカバーしきれない部分もある。山梨にいながらにして他大学が得意とするさまざまな領域を学べるのは、学生にとって大きなメリットになるはず」と話している。

 ■17日に公開シンポ
 山梨大は山岳科学の公開シンポジウム「越えられない山はなし」を17日午前9時半~正午、甲府市北口2丁目の県立図書館で開く。4大学による学術集会の一環で、山梨の山々の魅力と課題を話し合う。講師は県立大特任教授の輿水達司(さとし)さん、富士山写真家の小岩井大輔さん、アルパインクライマーの横山勝丘(かつたか)さん、県森林総合研究所の長池卓男さん。無料。問い合わせは岩田さん(055・220・8339)へ。

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