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今世紀末の温暖化予測、さらに悪化も IPCC報告書より最大0.5度上昇

 地球温暖化による今世紀末の世界の平均気温上昇は、国連気候変動に関する政府間パネル(IPCC)の予測をもとにした数値よりも最大で0・5度高くなるとするシミュレーション結果を、米カーネギー研究所の研究チームがまとめた。6日付の英科学誌ネイチャーで論文を発表する。
 IPCCが2013年にまとめた報告書は、地球温暖化に対し「対策なし」「少しの対策」「中くらいの対策」「最大の対策」の四つのシナリオで、今世紀末の気温上昇を予測している。その予測を産業革命前の気温を基準に見直すと、「対策なし」の場合は4・3度の上昇になる。
 研究チームは今回、現在の気候の観測データをシミュレーションに反映し、今世紀末の気温上昇を予測。「対策なし」の場合、産業革命前より4・8度高くなるとの結果を得た。IPCCの予測から得られた4・3度より0・5度高い。
 国立環境研究所の江守正多・気候変動リスク評価研究室長は「今回の将来予測の研究成果は、観測データによるモデルの性能評価を反映させたもので、より信頼性が増した予測と言える。今世紀後半に世界の温室効果ガス排出を実質ゼロにするというパリ協定の目標を目指す必要性が、改めて確認された」としている。

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