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「高い知性を持つはずの人間が地球破壊」 コスモス国際賞の動物行動学者・グドールさん

 第25回コスモス国際賞を受賞した英国の動物行動学者ジェーン・グドールさん(83)は、半世紀余りにわたって野生のチンパンジーを研究してきた。道具を使うことを発見し、寿命や子育てのしかたなど、生態の解明も進めた。来日に合わせて会見した。

 ――研究のきっかけは。
 子どものころから動物が大好きだった。母は、私の動物への愛を大切にしてくれた。ミミズの動き方を観察したくて、ベッドの中に持ち込んだことがあった。このときも、母は決して怒らなかった。大人になったら野生動物と暮らして、本を書こうと心に決めていた。アフリカに行くという私の夢を支えてくれたのも母だった。
 ――野生チンパンジーの現状は。
 かつては100万~200万頭いたとされるが、現在は推定約25万頭。開発によって森林が減り、チンパンジーの数も減っている。
 ――チンパンジーの生態を研究して驚いたことは。
 キスやハグをしたり、食べ物をくださいとお願いしたり、行動のしかたが人間にとても似ている。家族の絆は、50年以上続く。人間と同じように愛情を示し、利他的な行為もする。
 人間と同じように残虐なこともする。原始的な戦争のような行為もみられる。オスは自分の縄張りを守るためにパトロールをするが、そこに別の群れが来れば攻撃する。
 ――人間とチンパンジーの違いから見えるものは。
 人間には、火星の写真も撮ることができるより高い知性がある。人やチンパンジーのゲノムの解析ができたのも、人の脳の高度さのおかげだ。しかし不幸なことに、高い知性を持つはずの人間が地球を破壊している。会社の事業をどう進めていこうかなど、お金や成功に縛られ、自分のことばかり考えている。
 資源は無限にあるわけではないし、私たちは温室効果ガスを排出しすぎている。私たち自身の暮らし方、そして、思考のあり方を変えてゆく必要がある。

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