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見守って、甘い珍百景 ミツバチの巣、柿の木にたわわ 和歌山市内の畑 /和歌山県

 和歌山市田屋の畑に植えられた柿の木にミツバチがむき出しの状態で巣を作っている。通常は木のうろなど目に付きにくい場所に巣を作ることが多く、畑の所有者の森美治さん(74)も「こんなのは初めて」と驚いている。
 森さんが巣を発見したのは9月ごろ。当初は、全面ハチに覆われた真っ黒の状態で、「スズメバチの巣かと思っていた」。10月下旬の台風21号が去った後、クリーム色の巣がむき出しになっているのを見てミツバチだと気付いたという。
 県立自然博物館(海南市)の学芸員で昆虫に詳しい松野茂富さん(31)によると、巣を作っているのは養蜂のために海外から持ち込まれた外来種のセイヨウミツバチとみられる。風雨や外敵から身を守るため、本来は木のうろなど外からは見えにくい場所に巣を作ることが多く、むき出しの環境で巣を作るのは珍しいという。
 巣が10枚近くまで拡大しているため、昨年の夏ごろから巣を作り始め、1度越冬している可能性もある。自然落下や外敵からの攻撃がなければ今年も越冬するという。松野さんは、「こちらから接触しなければ、攻撃性はない。民家の畑という観察しやすい環境なので、適度な距離感を保ち、ぜひ保存してほしい」と話す。
 出荷用の柿ではないため、森さんも「どうしようもないので、このまま見守ります」と話していた。

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