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オジロワシ繁殖、本州で初の確認 日本野鳥の会県支部 /青森県

 国の天然記念物で絶滅危惧種に指定されているオジロワシが、県内で繁殖していることが確認された。これまでオジロワシの繁殖が確認されていたのは国内では北海道だけで、本州での確認は今回が初めて。日本野鳥の会県支部などが発表した。研究者は、県内でも保護のための環境保全が必要だと指摘している。
 オジロワシは体長80~90センチ、翼を広げると約2メートルになるタカ科の猛禽類(もうきんるい)。ユーラシア大陸北部に生息し、冬季に北日本を中心に飛来する。県内でも小川原湖や十三湖で目撃されていた。
 日本野鳥の会県支部によると、会員が昨年4月、六ケ所村南部の雑木林でオジロワシの巣を発見。約500メートル離れた場所から双眼鏡で定期的に観察し、2羽の成鳥と2羽のヒナを確認した。同7月にヒナが巣立つまで、成鳥がエサを巣に運んだり、ヒナが巣の周りを飛び回ったりする様子が見られたという。さらに今年は津軽地方でも、ヒナが巣で育つ様子が確認された。
 六ケ所村での観察に参加した弘前大の高橋雅雄・日本学術振興会特別研究員は「保護が進み、オジロワシが増えてきた証拠」とし、県内での繁殖は今後も増える可能性が高いと見ている。水辺に近く大木があるなど、オジロワシが好む繁殖環境を維持する必要がある、とも指摘。北海道では風力発電の風車と接触する事故が相次いでおり、「どう共生していくか考えなければいけない」と話す。
 六ケ所村での繁殖は高橋研究員と野鳥の会の会員らが論文にまとめ、今月発刊された日本鳥学会誌に掲載された。

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