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EU、車CO2の3割減案 2030年目標、競争力強化狙う

 欧州連合(EU)の行政機能を担う欧州委員会は8日、新車の乗用車と軽商用車に課す二酸化炭素(CO2)排出量の規制強化案を発表した。すでに世界でも最高水準の厳しさとされる2021年の排出削減目標から、30年にはさらに30%減らす。EU域内の自動車産業の競争力強化が主な狙いだ。
 今後、欧州議会や自動車業界などと協議して詳細を詰める。EUは21年に乗用車は1キロ走行当たり95グラム、軽商用車は同147グラムまでの排出量規制を導入することを決めている。今回の案には、25年に21年比15%減とする中間目標も盛り込んだ。
 30年に登録される新車1台の生産コストは平均1千ユーロ(約13万円)ほど高くなることが見込まれるが、燃料費の減少で利用者は15年間乗れば差し引き1500ユーロの利益があるという。
 欧州委は、世界の自動車販売市場で近年、EU内の自動車メーカーのシェアが低くなっていることを問題視。特にCO2を出さない「ゼロエミッション車」などエコカーの分野で「日本や米国、中国の動きがとても早い」として、厳しい規制の導入で技術力を高めることを目指す。
 ただ、すでに一部の加盟国から懸念の声も出ている。ロイター通信などによると、世界でも有数の自動車産業を抱えるドイツのガブリエル外相が「規制の強化は、雇用や成長に悪影響を及ぼす可能性がある」などと欧州委に伝えたという。(ブリュッセル)

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