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守ろう、芦川のスズラン群生地 笛吹市、観光協や地元と育成 /山梨県

 ニホンスズランの群生地として知られる笛吹市芦川町で、減り続けているスズランを守ろうと、市が町観光協会や地元の人たちと保護育成活動に取り組んでいる。31日、別の畑で育てたスズランの苗を群生地に植え戻す作業が行われた。

 標高約1300メートルにある群生地(約2・6ヘクタール)には約200万株のニホンスズランが自生している。県の自然記念物にも指定され、毎年5月下旬から6月上旬にかけて、かれんな白い花が咲く。多くの観光客が訪れ、「すずらんの里祭り」も1986年から続けられている。しかし最盛期に約260万株あったスズランは減り続け、地元の人から「何とか手を打たなければ」という声が寄せられるようになった。
 笛吹市は昨年から3年計画で保護育成事業に乗り出した。雑草のカヤがスズランの成長を妨げている可能性があると、昨秋、群生地の一角でカヤを取り除き、自生していたスズランの苗を日当たりのよい畑に植え替えた。今回の作業では、そのスズランの苗を群生地の日の当たる場所に植え戻した。
 笛吹市の職員や地元の人たちが協力して植えたのは5メートル×2メートルの4カ所で、群生地のごく一部。冬に霜の影響を受けないようにと、スズランの上には枯れ草などをかけた。
 スズランが減ってきた理由がカヤだけによるものかどうかは、よくわかっていない。群生地にはシラカバなどの木があり、成長したことで太陽の光が遮られているのではないかと、枝打ちをしたり枯れた木を伐採したりもしている。
 芦川町のスズランは自生しているのが特徴で、なるべく手を入れずに育成していきたいという。笛吹市芦川支所の飯田修さん(63)は「地元の人と一緒になってどうしたらスズランが増えるか探り、芦川町のシンボルを残していきたい」と話している。

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