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街のシカ、まず1頭捕獲 稚内、吹き矢作戦開始 /北海道

 稚内市の市街地で31日、麻酔薬入りの「吹き矢」を用いたエゾシカ捕獲作戦が始まった。初日は現況把握も兼ねながら1頭を捕獲。3日間続けるが、市は「群れに警戒心を抱かせることなく捕獲できた」と手応えを感じている。
 この日午後、市職員と市の委託を受けたNPO法人「EnVision環境保全事務所」(札幌市)のスタッフらが出動。ノシャップ岬近くの道道沿いにある自衛隊官舎の脇で下草を食べる7~8頭の群れを見つけ、スタッフが近づいて1頭に吹き矢を発射した。
 命中した後は離れて様子を見守り、麻酔が効いた数十分後に体重約110キロのメスの成獣を捕獲した。数日前から周辺の道道脇や民家の庭先で目撃されている群れの1頭とみられ、周りのエゾシカは何事もなかったかのように下草を食べていたという。
 この日は住宅や老人ホームなどが集まる富士見地区の草地でも群れをみつけたが、吹き矢を発射できる距離まで近づけなかった。警戒心は群れによって異なるといい、市は「どれだけ市街地のエゾシカに吹き矢が有効か見極めたい」としている。
 1日以降も市街地やパークゴルフ場、稚内公園などを巡回しながら群れを探して吹き矢を試す計画だ。麻酔が効くまでの時間や、群れに警戒心を与えないことなどを考え、一つの群れで何頭も捕獲することはしない方針。

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