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百選の棚田守る 後継者不足や獣害…府が本腰 千早赤阪・下赤阪 /大阪府

 日本の棚田百選の一つに名を連ねる千早赤阪村の「下赤阪の棚田」。後継者不足などの難題に直面するなか、府が保全に本腰を入れ始めた。来年度からオーナー制を導入するほか、30日からは棚田の所有者らと協力して獣害対策用の電気柵の設置費をネットで集める試みも始めた。

 下赤阪の棚田は、周囲約1キロの山の斜面に約120枚の田んぼが広がり、写真愛好家らが訪れる観光スポットとして知られる。
 美しい見た目に反して農家の負担は大きい。周辺の道は狭く、大型の農機具が入らないうえ、棚田はそのほとんどがいびつな形。機械が入れない縁の辺りは、田植えも稲刈りも手作業だ。重労働の割に収入も少ない。農家の男性は「棚田の収入だけでは十分な生活は難しい」と話す。
 府によると、棚田を所有する15軒の農家のうち9軒では、人に貸したり手伝ってもらったりしながら米作りを続けているという。耕作放棄地も増え、1979年に1・9ヘクタールあった棚田は、現在1・3ヘクタールにまで減少した。
 状況を改善しようと、府や村、棚田の所有者らは約20年前に、稲刈り体験などができる「棚田ふるさとファンクラブ」を結成。年数回、草刈りや稲刈り体験を通じて棚田の魅力を知ってもらう取り組みをしてきた。また、2013年には、年間を通じて米作りを学んでもらう「大人の棚田塾」を開くなどしてきた。
 ただ、取り組みに一定の効果はあったものの、後継者不足や獣害対策などは、いまも課題となっている。
 府は、来年度から棚田を借りて田植えなどに参加し、新米を受け取るオーナー制度の導入を決めた。18年3月から募集を始める予定だ。募集は10組で、1組あたり50平方メートルを3万円で貸す。オーナーは秋に新米30キロを受け取ることができる。安定した収入が得られることで農家のやる気につなげる狙いがある。
 棚田の周りには、いまでも触れると電気が流れる電気柵が張り巡らされているが、高さは約50センチ。イノシシが乗り越えて収穫間近の田を荒らしたり、稲を食べたりする被害が出ている。
 そこで府などは、今より20センチ高くした電気柵を設置するための資金調達をクラウドファンディングで始めた。目標額は50万円以上で、募集は12月22日まで。クレジットカード決済で1口1千円から募る。金額に応じて棚田米など、村の特産品を受け取れる。資金調達については、府が業務を提携しているFAAVO(ファーボ)大阪のホームページ(https://faavo.jp/osaka)で詳細を見ることができる。
 南河内農と緑の総合事務所の原田行司参事は「受け継がれてきた棚田を皆さんの共有財産として、これからもしっかり守りたい」と話した。オーナー制度などの問い合わせは同事務所(0721・25・1182)へ。

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