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微小プラごみ、4割の魚に 化学物質吸着の可能性、影響懸念 京大研究チーム

 東京湾など本州各地で採取した魚の約4割から、「マイクロプラスチック」と呼ばれる小さなプラスチックごみが検出されたとの調査結果を、京都大の田中周平准教授(環境工学)らの研究チームがまとめた。
 マイクロプラスチックは、プラスチック製品が砕けるなどしてできた、大きさ5ミリ以下の破片や粒子。有害な化学物質を吸着しやすく、生態系への影響が懸念されている。
 研究チームは2016年10~12月、女川湾(宮城県)、東京湾(横浜市)、敦賀湾、琵琶湖、大阪湾、英虞(あご)・五ケ所湾の6エリアで調査。採取した7種類計197匹の魚の消化管を調べたところ、74匹(37・6%)からマイクロプラスチック140個が見つかった。
 検出率が高かった魚はカタクチイワシで東京湾が79・4%。イワシなどはえらで水を濾過(ろか)してえさを取り込むため、マイクロプラスチックが体内に取り込まれやすいと考えられるという。
 東京農工大の高田秀重教授(環境化学)は「現状ではマイクロプラスチックを取り込んだ魚を摂取しても吸着した化学物質は多くないため人体への影響はないと考えられる。環境中へ出ると回収が困難なので流入量を減らしていくことが重要だ」と話している。

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