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森の中、クマ目線の1カ月 木登り・水浴び、意外に活動的 東京農工大調査

 東京の奥多摩地域にすむツキノワグマの首にカメラをつけ、約1カ月間にわたり「クマ目線」の動画を撮影することに東京農工大の小池伸介准教授らのチームが成功した。頻繁に木登りしたり、シロアリを食べるために朽ち木を爪でほじったり、想像以上に活発な様子をとらえた。映像を分析すれば事故を減らしたり、クマがすみやすい環境整備につなげたりできるという。
 ツキノワグマは普段、単独で山の中で暮らすうえ、近づくと危険なため、野生の姿を詳しく観察することが難しい。これまではフンや足跡などから間接的に調べていたが、今回、野生動物にカメラなどをつけて生態を記録する「バイオロギング」と呼ばれる新しい研究手法を用いた。
 2014年6月に奥多摩地域で、体重約85キロのオスをつかまえ、麻酔をかけてカメラを装着。1時間ごとに5分ずつ動画を撮影し、1カ月後に自動的に首から外れるようにして、クマを山に放した。カメラは全地球測位システム(GPS)で追跡して回収する予定だったが、行方不明に。16年に山中に落ちているのが偶然見つかった。動画には、周りをやぶで囲まれた場所で隠れるように寝ているところや、川に下りて水浴びをしているところも撮影された。人が歩く登山道を早朝に歩いている様子や、遠く離れた場所から人家が見える場面もあった。
 研究チームは来年以降、7~8頭にカメラを装着して調査する予定だ。クマが繁殖時期にどうやって山の中で相手を探すかなど謎の解明が期待されるという。
 小池さんは「クマの生態を映像データから正しく理解できれば、活発な時期には生息地域に近づかないなどの対策もとれる」と話している。

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