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アリは“誰が共生相手か”を口移しで巣仲間に伝える

アリには、アブラムシから栄養豊富な甘露を受け取る代わりに、アブラムシの天敵を排除するという共生関係が見られる。しかし、相手となるアブラムシの種は固定的ではなく、アリと共生関係を結ばない種も多い。このため共生関係が構築されるには、アリが現在の共生相手であるアブラムシの種を正確に認識し識別する必要があると考えられるが、その認識手法はほとんどわかっていなかった。

これまでの研究から、アリは同じ家族の他個体にアブラムシの情報を伝える何らかのシステムを持って、その情報を共有していると考えられた。アリとアブラムシをシャーレ内で同居させるなどの実験から、アブラムシの情報がアリからアリへと伝達され、その情報はアリの「口移し」行動の際に伝達されることが分かった。

アリの家族の中でパートナー(共生者、ここではアブラムシ)に関する情報の伝達が生じている証拠が示されたのは、世界で初めての報告だ。この成果は英科学誌、Proceedings of the Royal Society B (英国王立協会紀要)で発表された。

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