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ライチョウの天敵捕らえた テン、南ア・北岳周辺で6匹 環境省 /長野県

 環境省は今夏、絶滅の恐れがある国の特別天然記念物ライチョウの保護対策のため、南アルプスの北岳(3193メートル)周辺で天敵のテンを6匹捕獲した。天敵の捕獲は初の試み。捕獲作業を担当したライチョウ研究者の中村浩志・信州大名誉教授は「テンが山小屋にすみ着いて越冬するなど高山での生態が明らかになった」と話し、今後の天敵駆除に今回の成果を生かしたいとしている。
 南アルプス北部の北岳周辺では近年、ライチョウの生息数が激減している。1981年になわばり(オス、メスのつがい)数が63と推定されていたが、今年は16まで減ったという。減少の大きな要因は、テンやキツネなど里山にすむ天敵がライチョウが生息する高山帯まで進出し、新たな捕食者となったとみられる。
 北岳周辺では、一昨年から環境省の保護対策として中村さんらが、山小屋近くにケージを設置して夜間、孵化(ふか)後のヒナと母親を保護している。昨年、長野朝日放送がケージ近くに設置したセンサーカメラに、ケージの外からテンがライチョウ親子を襲う様子が初めて撮影され、母親が足にけがを負った。
 今年はケージ保護に加え、天敵のテンやキツネを捕獲するため、わなを仕掛けた。5月下旬から8月上旬にかけ、テンが6匹かかった。キツネは捕獲できなかった。ケージでは7月5日から1カ月間、3家族、ヒナ16羽を保護し、無事に16羽のヒナを放した。
 中村さんによると、北岳山荘に、テンが越冬していることが判明。山小屋にすみ着いたネズミのほか、小屋の食料を餌にしているとみられる。北アルプスでも、黒部川源流の三俣山荘でテンが越冬した例がある。高山帯が雪に覆われる冬場も快適に過ごせる山小屋は、テンにとって格好のすみかとなったようだ。
 昨年は、ケージで保護したヒナ15羽のうち、その後の調査で生存が確認されたのは2羽だった。今年は、8月末の調査で2家族10羽のヒナのうち、6羽が確認された。テンの捕獲で放鳥後のヒナの生存率が高まったとまでは言えないが、天敵の捕獲はあと2年間実施する。中村さんは「来年以降は山小屋にすみ着いたテンの捕獲なども含めて、天敵対策を考えたい」と話している。
 

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