赤沢森林浴 70回記念で森林セラピーコースも初開催

切り株のコケに触れて感触を確かめる森林セラピーコースの参加者
樹齢300年以上のヒノキの天然林が広がる赤沢自然休養林(長野県上松町)で10月4日、第70回赤沢森林浴(上松町観光協会、町、森林文化協会主催)が開かれた。
首都圏や近畿、中京圏からを含む25人が参加。普段は立ち入りが制限されている保護林「学術研究路」を、森に詳しい木曽森林管理署の職員やNPO法人・木曽ひのきの森のメンバーの案内で散策するコースのほか、70回を記念した森林セラピーコースが初めて設けられた、参加者はおのおの森林浴を楽しんだ。
赤沢一帯は、江戸時代初期に大半の木が伐採された後、落ちた種から「木曽五木」と呼ばれるヒノキの仲間(ヒノキ、サワラ、アスナロ、ネズコ、コウヤマキ)が自然に生え育って、天然林となっている。日本での「森林浴発祥の地」として約40年前から毎年、森林浴大会が開かれている。2006年には森林セラピー基地に認定されている。
森林セラピーは医学的根拠に基づいて、森林の持つ、癒しやリラックス、ストレス軽減、免疫力の向上といったさまざまな効果を、利用者の心と身体の健康維持や増進に生かす活動を指す。

沢沿いで目を閉じて、森や沢の音に耳を澄ませた
この日は6人の参加者が森林セラピスト(森林セラピーガイド)の新井慎一さんの案内で、森をゆっくりと散策。ヒノキやサワラの巨木の幹に触れて、感触や硬さの違いを感じたり、切り株に生えたコケの手触りを実感したり、目を閉じて聞こえてくる音に意識を集中させたり。参加者は普段の暮らしではあまり使わない五感を活用する感覚を体験した。

森のなかで寝そべりリラックスする「森林安息」を体験した
その後、森にシートをひいて寝そべり、目をつぶってリラックスする「森林安息」も体験した。新井さんは目を閉じて音に意識を集中させた理由について「安息に入る前に、五感を見つめ直してほしかった」などと説明した。続けて、「自分の体調には波があります。休むべき時もあります。今日森でなんとなく感じたことを思い出して、自分の環境を整えて、休んでみてください」と呼びかけた。
大阪府和泉市の梶本純子さんは赤沢は何回も訪れているが、「セラピーコースに参加して初めて安息も経験できた。知ることも多く、とても充実した内容だった」と話していた。

森林鉄道を降りて、ガイドから説明を受ける学術研究路コースの参加者

参加者に飲み物をふるまう信州大学の学生たち
学術研究路コースの参加者は、尾根近くに広がるヒノキの「屈指の美林」と称される奥千本(標高1240㍍)をめざし、高さ30㍍以上のヒノキが林立する様子に見入った。
ゴール地点では今年も信州大学の学生らによる「森カフェ」が開かれ、参加者にハーブティーやコーヒーがふるまわれた。
