赤沢森林浴開催

「奥千本」で木曽森林管理署の職員から説明を受ける参加者たち
樹齢300年以上のヒノキの天然林が広がる赤沢自然休養林(長野県上松町)で10月5日、第69回赤沢森林浴(上松町観光協会、町、森林文化協会主催)が開かれた。
首都圏や近畿からを含む約40人が参加。時折雨が降るなか、普段は立ち入りが制限されている保護林「学術研究路」を、森に詳しい木曽森林管理署の職員やNPO法人・木曽ひのきの森のメンバーの案内で散策するコース、森林鉄道遺構歩き、ふれあいコースの三つに分かれ、森林浴を楽しんだ。

森林鉄道を降りて、班ごとに注意事項や木々の特徴などの説明を受ける参加者
赤沢一帯は、江戸時代初期に大半の木が伐採された後、落ちた種から「木曽五木」と呼ばれるヒノキの仲間(ヒノキ、サワラ、アスナロ、ネズコ、コウヤマキ)が自然に生え育って、天然林となった。
学術研究コースの参加者20人は、4班に分かれて尾根近くに広がるヒノキの「屈指の美林」と称される奥千本(標高1240㍍)をめざし、高さ30㍍以上のヒノキが林立する様子に見入っていた。

奥千本のヒノキ林
参加者は案内役の人たちからそれぞれの種の特徴や見分け方、アスナロは、地面についた枝の一部から根が出てその枝が新しい個体の幹として育つことなどを説明してもらいながら、散策を楽しんだ。大阪府高槻市から参加した70代の女性は「雨でしっとりとした森林も風情があってよかった」と話していた。
また、今年6月、20年に一度行われる伊勢神宮の御正殿の建て直しに伴う「式年遷宮行事」があり、赤沢の国有林で伐り出された「御神木」のヒノキが、ご神体を納める器の御用材になった。参加者が御神木について熱心に質問する場面もみられた。

参加者に長野県内で採れた山野草のハーブティーをふるまう信州大学の学生たち