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カナダの大規模な山火事、気候変動で起きやすさ2倍 国際研究チーム

 カナダ東部で今年5~7月に多発した山火事について、異常気象を分析する国際研究グループ「ワールド・ウェザー・アトリビューション」(WWA)は、気候変動との関係を調べた結果を発表した。今回カナダでみられたような火災が起きやすい気象条件になる確率が、地球温暖化がない場合に比べて2倍以上になっているという。

 カナダでは今年、山火事で15万平方キロが焼け、これまでで最も焼失面積が大きかった1989年の2倍以上となっている。6月には煙が米東海岸に流れ、ニューヨークなどの都市で大気汚染度が深刻化して空がオレンジ色に染まった。今月にはカナダ西部のブリティッシュコロンビア州が約3万5千人に避難命令を出している。

 WWAは今年5~7月の東部ケベック州の気象条件について、気候変動の影響を受けてどれくらい山火事が起きやすい状況になっていたかを分析した。山火事が発生する直接的な原因は雷やたき火などだが、山火事の起きやすさを評価するため、気温や風速、湿度、降水量を組み合わせた「火災気象指数」に注目し、コンピューターでの気象モデルを使って調べた。

 現在はケベック州では、今回のような気象条件が25年に1度発生すると予測され「もはや、極めて珍しいわけではない」という。

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