色彩でめぐる世界の絶景
ノルウェー最大のフィヨルドにかかる虹
フィヨルドは氷河の浸食作用でU字形に削られた谷に、海水が入り込んで形成された複雑な地形で、峡湾、峡江ともいわれる。
ノルウェーの首都オスロから、西部に位置する港町ベルゲンへ飛び、そこで車を借りて夏のフィヨルド沿いをドライブしながら撮影することにした。海岸線のすぐそばまで切り立った山々が迫り、フィヨルドならではの迫力のある景観だ。
中でも、ソグネフィヨルドはノルウェー最大のフィヨルドで、その長さは204㌔、最も深い水深は1308㍍に達するという。冬は一面が雪に覆われ、さらに太陽が昇ってこない極夜だが、ノルウェーの海は暖流のおかげでほとんど凍らない。夏は逆に白夜で23時頃まで明るい。植生は夏も冬も色が変わらないタイガと呼ばれる針葉樹林が多い。
針葉樹林以外の植物も緑が美しいこの季節。夕立が降った後、あっという間に天気が回復し虹が空にかかったところを、フィヨルド越しに構図を決めて撮影をした。赤い民家もアクセントとなり、絵の中に入り込んだような感覚を覚えた。
【撮影地】ノルウェー ソグネフィヨルド
(谷角靖)