永遠に続く丘陵地帯 真っ赤なポピーがアクセント
1993年にチェコスロバキア共和国から分離・独立した中央ヨーロッパの小さな国、チェコ共和国。南東部には「モラヴィア」と呼ばれる地方がある。首都プラハからは車で約3時間の距離だ。
チェコというと、古いヨーロッパの街並みを想像しがちだが、モラヴィア地方は北海道の田園地帯を思わせるような丘陵の風景が広がっていて、その規模は永遠に続くかのようだ。
少し高台から見渡せる場所を求め、車を走らせた。緑色から黄金色に変わりつつある広大な麦畑の丘がうねるように広がり、足元には真っ赤なポピーの花が一面に咲く場所を見つけた。
構図を考えながら目前の景色に浸っていると、ところどころに木立があることに気づいた。
もしかしたら、畑仕事をする人たちはあの木陰で休みをとるのかも……などと、自然とともにある人々の暮らしに思いをめぐらせながら、シャッターを切った。
【撮影地】 チェコ共和国 モラヴィア地方
(谷角靖)
■お知らせ
『大切な人と見たい風景 TWILIGHT』(青菁社 税込み1650円)
日の出やたそがれ時の薄明かりの状態を意味する「トワイライト」。その美しい光景は感動的で人々を魅了します。世界中を飛び回り、撮影を続ける写真家・谷角靖による世界各地のトワイライトタイムを厳選、構成した写真集です。
https://www.seiseisya.net/seiseisya-books/twilight.html
■プロフィール
たにかど・やすし/1973年大阪生まれ。2006年にカナダ永住権を取得。以降、現在までカナダの雄大な自然を撮影するとともに、世界各地へフィールドを広げる。極北のオーロラや絶景を得意とし、カヤックやドローンなども駆使して撮影に挑む。写真展や著書も多数。(公社)日本写真家協会会員
公式ホームページ http://www.yasushi-products.com/