世界遺産「生きている地球」

ピアナのカランケ、ジロラータ湾、スカンドーラ自然保護区を含むポルト湾-フランス 青い海と赤い断崖絶壁が続く景勝地

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 地中海に浮かぶコルシカ島は、手つかずの自然が多く残り、「フランスの秘境」と称されている。ポルト湾は、島の西部に位置する。

 訪れた夏の日、湾を俯瞰(ふかん)できるポイントに来た。こんなにも穏やかに広がる紺碧(こんぺき)の海に出合えることはそうそうない。海から切り立った断崖が続くリアス式の海岸線と、背後にそびえる山々が風光明媚(めいび)な景色をつくりだしている。断崖の花崗岩(かこうがん)の上に生い茂る木々の緑は鮮やかで、強い生命力を感じた。

 コルシカ島といえば、ナポレオン1世の故郷として有名だ。アジャクシオの町に生家が博物館として残っており、観光客も多く訪れる。世界遺産に登録されているのは、ポルト湾の周辺地域。「ピアナのカランケ」(ピアナは町名、カランケはコルシカ語で「岩だらけの複雑な入り江」という意味を持つ)の奇岩群が見せる自然の力強さ、「ジロラータ湾」の美しい入り江の風景、自然環境を保護するため立ち入りの制限もあり、海洋生物と鳥類の楽園にもなっている「スカンドーラ自然保護区」と、訪れる者に感動を与えてくれる。

 【1983年登録 自然遺産】

 (富井義夫)

 

■写真集

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『世界遺産 絶景ベストセレクション』(宝島社 税込み690円) 

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 プロフィール
 Yoshio Tomii/1953年東京生まれ、札幌在住。40年超にわたり地球を駆け巡り、極地を含む132の国と地域を撮影。世界遺産に魅了され、その素晴らしさを伝えるメッセンジャーになりたいと願い、訪れた世界遺産の数は600を超える。写真展、著書多数。(公社)日本写真家協会会員。
  公式ホームページ https://www.tomiiyoshio.com

 

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