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森に続々ツリーハウス 那須の小田切さん、20棟以上造る

 森と小川に囲まれた那須高原の1万坪ほどの敷地に、1人で20棟以上ものツリーハウスを造り続けている男性がいる。キャンプ場として公開し、夏の行楽シーズンには大にぎわいだ。ツリーハウス造りには東日本大震災で被災した子どもたちも一役買っている。
 男性は那須町の小田切進さん(79)。これまでジャズ喫茶店や住宅外壁会社の経営など、さまざまな仕事を経験してきた。
 那須に移り住んだきっかけは、東京にいた15年ほど前のこと。那須に住む友人から土地の売り出しを聞いた。「東京は住むところではなく働くところ」。ちょうどそんな思いが強くなっていたころだった。男女4人の子どもは独立。「終(つい)のすみか」を建てようと思い立って土地を買い、移り住んだ。
 ツリーハウスは6年ほど前に「家族が遊びに来る時の別邸に」と建て始めた。小田切さんは電気工事の免許も持ち、大工仕事はお手のもの。敷地内の大木を利用して、最初のツリーハウスが完成した。
 一つ造ると楽しくなって、一つ、また一つと新しいツリーハウスを建て続けた。15棟以上が完成した13年には、自分の「遊び場」を那須を訪れる人にも楽しんでもらおうと、キャンプ場「おだぎりガーデン」としてオープンさせた。
 1棟のツリーハウスの完成には2カ月ほどかかる。設計図は書かない。「木をいろんな角度から見て、どの枝に土台を作るか、入り口や窓の位置はどうするか、頭の中でイメージするんだ」
 3メートル近い高さの脚立を使い、電動ドリルで床の土台となる板をビスで固定。壁、屋根、窓を付け、最後は電気の配線と内装工事で出来上がりだ。材料は建設会社から不用な木材を分けてもらったり、敷地内の木を切ったりして使う。
 ツリーハウス造りに、3年前から新しい仲間が加わった。東日本大震災で被災した子どもたちだ。毎年3月に那須を訪れ、家造りを体験している。
 参加者の中には、自宅が津波で流されていくのを見ていた子どももいる。企画した「こども・わらずキャンプ楽会」代表の渡辺和浩さん(45)は、「多くの建物が崩れるのを見て、無力感を持った子もいる」と話す。だが、自由な発想があれば家も自分で建てられる。そんな小田切さんの姿を被災地の子どもに見せたいと、企画したという。今年も宮城県気仙沼市を中心に33人の子どもたちが訪れ、ツリーハウス造りを楽しんだ。
 小田切さんは「今までは飽きっぽかったけど、ツリーハウスは唯一長く続いている。きっと好きなんだろうね」。キャンプ場経営は「年金の代わりだ」といたずらっぽく笑う。この夏もまた、森の中に新たなツリーハウスが姿を現す。

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