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行きたい世界遺産、屋久島2位に 検定受検者にアンケート

 世界遺産についての知識や理解を深める「世界遺産検定」の受検者が選んだ「勉強して行きたくなった世界遺産」の総合ランキングで、屋久島がペルーのマチュピチュ遺跡などを抑えて2位になり、国内では最も人気が高かった。5位には知床(北海道)も入っており、日本の自然遺産の評価が高い一方、「行ってよかった」の順位では、屋久島は9位にとどまった。
 検定を主催するNPO法人「世界遺産アカデミー」が今春、昨年末に実施したアンケートの結果をまとめた。今回が初めての調査で、全国21都市の検定会場で約6千人から回答を得て集計したという。
 挙げられた約300カ所のなかで1位になったのは、仏西海岸のサンマロ湾に浮かぶ小島で、島全体が修道院となったモンサンミッシェル。3位はペルーの古代インカ帝国のマチュピチュ遺跡、4位は米イエローストン国立公園。6位以降はベルサイユ宮殿(仏)、厳島神社(広島)、アンコールの遺跡群(カンボジア)、姫路城(兵庫)、タージマハル(インド)がトップ10に入った。
 屋久島には206人が「行きたい」と回答。海から高山にかけて沖縄県から北海道の植生が連続する「垂直分布」や、日本の自然遺産の中では唯一認められた「自然美」の価値など、世界遺産を学んだ受検者ならではの意見が多かったという。
 その一方、実際に「行ってよかった」と感じた世界遺産のランキングでは、1位から古都京都の文化財、厳島神社、姫路城、原爆ドーム(広島)と続き、屋久島は9位と振るわなかった。モンサンミッシェルは7位だった。
 アンケートの結果を受けて、屋久島町商工観光課の松本薫課長は「自然の豊かさが評価されて大変ありがたいが、『来てよかった』でも上位になる必要がある」。悪天で登山ができなくても楽しめる観光資源の開発や、宿や食事などの満足度を高めるのが課題としている。
 世界遺産検定は「マイスター」と1~4級の五つのレベルがあり、2006年に始まって以来、のべ14万人が受検。文部科学省などが後援しており、認定を受けると、入試で優遇される大学もある。

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