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オオムラサキ、大空へ舞う 日の出・児童が放つ

 日の出町の谷戸沢処分場内で羽化した国蝶(こくちょう)・オオムラサキ26匹を22日、地元の大久野小学校の6年生50人が自然に戻した。子どもたちはオオムラサキの一生を学んだ後、手元にのせたチョウが、大空に飛び立つ美しい姿に歓声をあげた。処分場では7月中旬まで順次、羽化が続く。
 オオムラサキは1957(昭和32)年、日本を代表する華麗なチョウとして日本昆虫学会が「国蝶」に決めた。かつては全国各地で見られたが、生息地が狭まり、環境省のレッドリストで「準絶滅危惧種」に指定されている。
 処分場では、埋め立て完了から11年後の2009年から継続して成虫が観察されている。卵や幼虫を鳥などから守るために施設の一画に専用ケージを設けて育てていた。今年の羽化は1週間前の15日に始まった。
 子どもたちはビデオ映像で今年第1号の羽化の様子を見た後、ケージの中でさなぎを観察。埋め立て跡に人工で造った湿地に移動し、配られた容器に入ったチョウを空に放した。飛び立つ前に指先にとまらせた杉崎裕季さん(12)は「羽に紫色と赤色があってきれい。かわいかった」と笑顔で話した。
 処分場は24日、敷地の一部を開放して、オオムラサキの見学会を催す。午前10時と同11時半、午後1時半、約1時間の無料のガイドツアーも企画される。問い合わせは東京たま広域資源循環組合(042・597・5581)へ。

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