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コンテナ苗の実力を評価  活着・成長能力の全国データを比較

人工林の主伐―再造林の低コスト化の切り札として、一貫作業システムの導入にあわせてコンテナ苗の利用が日本各地で試みられている。コンテナ苗は従来の裸苗と比べて植え付けの技能が不要で植栽効率が良く、育苗時の空間利用効率の高さや育苗期間の短縮の観点から苗木の大量生産に向いており、苗木の安定供給の面からも期待されている。しかし、各地で行われたコンテナ苗と裸苗とを比較した植栽試験の結果はまちまちで、コンテナ苗の活着や初期成長の特性を明確にするまでには至っていない。

 

そこで、この研究ではコンテナ苗の一般的な傾向を明らかにするために、国内39ヵ所で得られた植栽試験結果をもとにコンテナ苗の植栽後の活着や初期成長を裸苗と比較した。その結果、主要な造林3樹種(スギ、ヒノキ、カラマツ)では、コンテナ苗の平均活着率はいずれも96%程度に達し、それぞれの裸苗と同程度に高かった。植栽後の樹高成長(成長率)も、いずれの樹種でもコンテナ苗と裸苗と差がほとんどなかった。今後、コンテナ苗が裸苗と比較して植栽可能時期の面で柔軟性がどの程度あるか検証する。

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