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「爽春」の無花粉遺伝子を持つスギ  検出できるDNAマーカーを開発

九州大学と森林総合研究所は、無花粉スギ「爽春」の無花粉遺伝子を高い精度で検出できるDNAマーカーを見つけた。無花粉遺伝子の有無が予め分かっている190個体を分析し、全ての個体で無花粉遺伝子の有無とDNAマーカーのマーカータイプが合致し、現段階で100%の判定精度を誇る。現在、「爽春」と他の優良なスギを交配することによって、成長などが優れた無花粉スギの育種が進められているが、このDNAマーカーを活用することによって、これまで以上に改良のスピードを早めることができる。

 

スギ花粉症は現在、国民の3割が罹患しているとも言われ、大きな社会問題になっている。林業分野では花粉発生源を減少させるため、少花粉、低花粉、無花粉のスギ品種育成が求められている。森林総合研究所林木育種センターが見つけた無花粉スギ「爽春」は、無花粉の性質を伝えるための交配親として利用されている。この性質は単一の遺伝子によって支配されていることが分かっており、その性質が後代にうまく伝わったかどうかを調べるためのDNAマーカーの開発が待たれていた。

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