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水田で育む小山の名物 「ラムサールナマズ」養殖が軌道に

 小山市で水田を使ったナマズの養殖が昨年から行われている。その名も「ラムサールナマズ」。ラムサール条約に登録された湿地の渡良瀬遊水地が市内にあることから名付けられた。生産は軌道に乗り出し、味も好評。小山の新たな名物として期待が高まっている。
 小山市はこれまで、無農薬・無化学肥料で米を栽培する「ふゆみずたんぼ」に取り組んできた。その田んぼに併設している貯水池の「江」を用いて、2013年からは川魚のホンモロコを養殖。この養殖をより発展させようと市が目をつけたのがニホンナマズだった。1960年ごろまでは周辺の水田にナマズが生息し、食卓にも出ていたことから、身近な存在として選ばれたという。
 ナマズの養殖に挑戦したのが、同市上国府塚で農業を営む松本上(はじめ)さん(69)。昨年5月、大きさ約1センチのナマズの稚魚約2万匹を10アールほどの池に放流した。ただ、池の中の稚魚は保護色で全く姿が分からず、見えないナマズを相手にエサやり続ける日々。共食いの心配もある。「初めてだし、どうなるかわからず不安だった」
 しかし、ナマズはたくましく育っていった。11月に初めて水揚げしたときには、体長約30センチ、重さは500グラムに成長。「目に見えて大きくなってうれしかった」と喜びを語る。市農政課によると、水揚げは先月終了し、初年度は計253キロが捕れたという。
 水揚げされたナマズは、現在市内の道の駅思川の総菜コーナーで、土日を中心に天ぷら(2切れ540円)として販売。道の駅内のレストラン「SAKURA」でも、「から揚げ丼」(1080円)や、ナマズのつみれなどが入った「ラムサール鍋」の定食(1380円)で楽しめる。味は上品な白身魚といった感じ。市は「今後水揚げ量を増やして、市内の他の料理店にも提供できるようにしたい」と期待を寄せている。

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