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350歳、海老谷桜お別れ 倒木の危険で伐採 浜田

 推定樹齢350年で浜田市の天然記念物に指定されている「海老谷桜(えびたにざくら)」(同市三隅町)が倒れる危険があるとして、市教委が伐採した。10年近く前に倒れたため近くに移植し、数年前まで花を咲かせていた。
 ヤマザクラで元々は斜面にあったが、2008年に突然倒れた。市がクレーンで約8メートル離れた平地に移し替えた。折れた幹を切断しても樹高約9メートル、幹回りは約3メートルある巨木だった。
 市教委文化振興課によると、本体部分(幹)に腐朽を防ぐ処置をしてきたが、最近になって腐朽が特に進んだ。倒木で人への被害や根元から伸びる若木(側枝)5本を巻き込む恐れがあるとして伐採に踏み切った。
 作業は地元住民ら約10人が見守った。桜の周りの草を刈るなど保全活動をしてきた「海老谷集落若さ創りの会」の塩田良友会長(68)は「幹は残してやりたかったが傷みがひどくて。若木を大きく育てていきたい」と話していた。
 若木は高さ5メートルほどに育っていて、いずれも昨春、花をつけたという。市教委は「地元の人たちの保護活動で海老谷桜の命は若木としてつないでいる」(課の担当者)として、天然記念物の指定を継続する。

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