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奥会津の地すべり多発地帯は生物多様性のゆりかご 只見町が初の調査

 福島県奥会津地方・只見町の秘境「沼ノ平」が、多様な植物が分布し学術的に貴重な地域であることが、初の本格調査でわかった。過去に何度も土砂災害が発生し、人が簡単に近寄れない環境が生物多様性を育んできたという。
 沼ノ平は町北西部に位置するブナ林と湖沼群からなる一帯で、新潟県魚沼市にまたがる浅草岳のふもとに広がる。限られた地元住民や熟練の登山ガイドだけが訪れる秘境だ。だが、2011年の新潟・福島豪雨など、過去幾度も地すべりやがけ崩れが発生した山地災害危険地区でもあり、詳しい植生や生態はわかっていなかった。
 沼ノ平を含む町全域は14年、ユネスコ(国連教育科学文化機関)の「エコパーク」に認定された。「人と自然が共生する国際モデル地域」となったことを受け、町は崎尾均・新潟大名誉教授(森林生態学)のグループに調査を依頼。大学や国、町の研究者ら49人が参加した。
 17年から4年間かけて行った調査は予想を上回る発見があった。約2・9平方キロの対象地域には、421種のシダ・種子植物、107種のコケ植物、494種の昆虫類、12種の両生類が確認された。新種とみられる甲虫オサムシ2種も見つかった。
 崎尾名誉教授は「只見町全域のわずか0・4%でしかない地域に、これだけの種が生息しているのがわかったのは大きな発見だった。只見町の中でも特に生物が多様な地域だ」と話す。多発する地すべりが、地形や湖沼の位置を何度も変え、生物多様性を育んできたという。
 厳しい豪雪地帯を逆手に取り「自然首都・只見」を掲げる町は、沼ノ平一帯の入山規制を検討するとともに、今回の調査結果を住民の環境意識の向上などにつなげたい考えだ

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