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田んぼがねぐら? 大崎に400羽 絶滅危惧種シジュウカラガン /宮城県

 絶滅危惧種のシジュウカラガンが、大崎市の田んぼで約400羽の群れで行動しているのが確認された。群れがいたのは、冬季も水を張る「ふゆみずたんぼ」で、湖沼以外の水辺で群れが観察されるのは珍しく、ねぐらとして利用している可能性もあるという。
 観察したのは、ラムサール条約湿地の蕪栗沼や伊豆沼・内沼などで越冬するガン類の飛来状況を調べている市民グループ「フライング・ギース プロジェクト」。2005年から、プロジェクトリーダーの斎藤肇さん(大崎市在住)らが冬季に毎月調査している。
 昨年12月の調査には約20人が参加し、国の天然記念物のマガンを約11万4千羽、絶滅危惧種のシジュウカラガン約2300羽などを確認した。メンバーの一人、新野聡さんが、大崎市田尻の田んぼで、シジュウカラガンの群れを観察した。
 日本雁(がん)を保護する会の呉地正行会長によると、この田んぼは10年以上前からふゆみずたんぼの取り組みをしており、冬季にハクチョウ類やマガンが見られる。
 呉地さんは「伊豆沼や蕪栗沼にガン類が集中しており、保護に向けて生息場所の分散化が大きな課題となっている。今回、シジュウカラガンの群れが観察されたことは、ふゆみずたんぼが、沼と同様にねぐらとして利用されている可能性もあり、分散化に向けて一定の成果が出たと思う」と話している。

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