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林道の4割、木材生産なし 新潟、05~17年度開通分

 新潟県や県内自治体が2005~17年度に開通させた林道全35路線のうち14路線の周辺地域で、18年度までに木材生産の記録がないことが分かった。森林所有者と事業者の調整が難航したり、木材価格が低迷したりして多くの林で伐採が進んでいないといい、整備を進めた県は「改善を図りたい」としている。
 林道は、伐採や水源維持などのための森林整備に使う道路。国有林以外の民有林などでは、地方自治体が国の補助を受けて整備する。新潟県内では05年度以降、35路線で総延長約75キロが開通し、事業費は計107億4768万円だった。
 ところが、この林道の利用区域で実際に木材(スギや広葉樹など)の伐採・搬出記録があるのは21路線のみ。残る14路線は利用区域内での木材生産の記録がないという。21路線の利用区域で05~18年度に生産されたスギ材の卸価格から試算すると、生産額は最大で約2億4千万円となる。
 同県長岡市で14年度に開通した長さ約3キロの「八石山(はちこくさん)南線」は、木材生産の記録がない14路線のひとつ。地元森林組合の幹部によると、組合が雑木林を刈り取ったあとにスギを植える計画だった。ところが、森林所有者との協議が不調となり、計画が頓挫しているという。
 木材価格が低いことも生産が進まない理由の一つだ。農林水産省の統計によるとスギはピーク時の約3分の1、ヒノキは4分の1に下がっている。

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