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今世紀末、海面上昇1メートル超も 温室ガス排出、このままのペースなら IPCC報告書

 このままのペースで温室効果ガスの排出が続けば、今世紀末に海面上昇が1メートルを超える可能性がある――。専門家でつくる国連の気候変動に関する政府間パネル(IPCC)は25日、こんな内容を含む「海洋・雪氷圏特別報告書」の政策立案者向けの要約版を公表した。
 100年に1度しか起きないような高潮などが、標高の低い大都市や島国では今世紀半ば、ほかの地域でも今世紀末までにどこかで毎年起きるようになると警告している。特別報告書によると、人間活動によって世界の海の温度は1970年以降、ほぼ確実に上昇、海面上昇も加速している。世界の平均海面は1902~2015年に16センチ(12~21センチ)上昇した。06~15年は年3.6ミリ(3.1~4.1ミリ)で1901~90年の年1.4ミリ(0.8~2ミリ)の約2.5倍だ。
 温暖化対策をせずに世界平均気温が産業革命前から最大4.8度上昇する場合は、海面は2100年に1986~2005年に比べて84センチ(61~110センチ)上昇する可能性がある。この場合、上昇は2300年には数メートルに達する可能性がある。温暖化対策の国際ルール「パリ協定」で合意している、気温上昇を同2度未満とした場合は2100年に43センチ(29~59センチ)上昇するが、2300年でも1メートル程度に抑えられるという。
 また、世界全体の海洋動物の生物量は対策なしの場合、今世紀末に1986~2005年に比べて15%程度、漁獲量は最大で同20~25%程度減る可能性があるという。

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