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十勝産、木の玩具を親しんで 帯広大谷短大専任講師が「木育」 /北海道

 赤ちゃんに地域の木でできたおもちゃ「森の輪(wakko)」を贈る取り組みが、十勝地方の自治体で始まった。開発した帯広大谷短大(音更町)の馬場拓也・専任講師(28)が中心となって、遊びながら木のぬくもりを感じ、両親も含めて木に親しんでほしいとの「木育」の思いも込められている。
 馬場さんは、同短大で造形を教えながら「木育」の研究をしているほか、アーティストとして、ジャガイモをモチーフにした木製玩具「POTATOY(ポテトイ)」を開発するなど、創作活動もしている。
 「森の輪」は、生後まもなくの赤ちゃんが手にしたり、口にしたりすることができるおもちゃとして開発。誤飲防止も考慮した全長8センチ、厚さ2センチのドーナツ形だ。価格も1人当たり1千円程度で、予算規模の少ない自治体でも実施できる利点がある。地元木材を使い、シンプルなデザインのためにどこの木工業者でも製造できるため、地域振興の効果も期待できる。
 趣旨に賛同した道十勝総合振興局は今年6月、馬場さんや林業、保育関係者らと「すくすく十勝応援プロジェクト 森の輪」を始動し、自治体に提案。上士幌町、池田町が手を上げた。
 池田町では8月26日、町内の3家族に、地元の落葉広葉樹「ヤチダモ」で作られた「森の輪」が初配布された。贈呈式で、勝井勝丸町長はヤチダモが「木質が優しく、強い木」であることを説明。「お祝いの気持ちを込め、歯固めとして、遊びながら使ってほしい」と述べた。

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