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一定額を上乗せへ 大規模再生エネ新制度

 再生可能エネルギーによる電気を電力会社が高値で買い取る「固定価格買い取り制度(FIT)」の見直しをめぐり、経済産業省は19日、新規の大規模な事業用太陽光発電や風力発電についてFITに代わる新たな支援制度の方向性を有識者の小委員会に示し、おおむね了承された。これらの再生エネの発電事業者は卸電力市場や相対取引で電気を売ることになるが、一定額を上乗せし、事業者の投資意欲を確保する。安い価格を示した事業者を優先する入札制度も活用してコストを下げ、家庭や企業の負担抑制もねらう。
 新制度は「フィード・イン・プレミアム(FIP)」と呼ばれ、ドイツなど欧州各国で導入されている。経産省案では、卸市場での平均取引価格などをもとに「市場参照価格」を設定。事前に入札などで決めた価格と市場参照価格の差額を再生エネ事業者に支給する。市場参照価格は市場動向に応じて1カ月~1年ごとに改定する。再生エネ事業者に支給する差額はFITと同様、家庭や企業から「賦課金」として電気料金に上乗せされる見通し。
 卸市場で電気を売る場合、天候などの影響で電気が余ると市場価格は安くなり、事業者のもうけが少なくなるが、一定額を上乗せすることで、売電収入がある程度予測しやすくなり、投資判断もしやすくなる。
 ただ、制度の詳細設計次第では、再生エネがあまり増えなかったり、企業や家庭の負担を抑制する効果が十分に出なかったりする可能性もある。

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