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長野市のジビエ施設、国がお墨付き 農水省認証、販売にはずみ /長野県

 年間1千頭を目標にイノシシとニホンジカの肉(ジビエ)を生産する県内最大規模の「長野市ジビエ加工センター」が、国内8例目の「国産ジビエ認証」を受けた。より安全なジビエの流通に国がお墨付きを与えるもので、市は販売を本格化させる。
 この認証は、消費者に安心してジビエを味わってもらおうと農林水産省が2018年に制定した。認証対象は適正な衛生管理やトレーサビリティー(生産履歴管理)を実現した施設。県内では富士見町の信州富士見高原ファームに次いで2例目の認証となる。
 同センターは今年3月、長野市の直営施設として中条地区に完成した。鉄骨造り平屋建てで、延べ床面積は約330平方メートル。解体室や処理室、冷凍室のほか、肉のうまみをアップさせる熟成室もある。
 移動式解体処理車(ジビエカー)と、7台のストレッチャー付き小型保冷車を活用。地元猟友会員約370人で組織する「鳥獣被害対策実施隊」が捕獲した個体を迅速にセンターに搬入する体制を整えた。
 併せて個体の識別番号による商品管理システムを導入し、受け入れから加工、販売までのトレーサビリティー確保と在庫管理を実現した点も評価された。
 試験期間を経て7月から本格稼働しており、初年度は600頭の処理を予定。市いのしか対策課の担当者は「安心・安全の保証をアピールし、市内を中心に消費拡大につなげたい」と話している。

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