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山の遭難、死亡・不明354人 昨年
- 2018/06/21
- 朝日新聞
- 夕刊
昨年1年間に全国の山で遭難したのは3111人(前年比182人増)で、うち死者・行方不明者は354人(前年比35人増)に上った。いずれも統計の残る1961年以降最多。警察庁が21日発表した。中高年の登山ブームの高まりを受け、60~70代の遭難者が45・3%を占め、死者・行方不明者でも60歳以上が229人で64・7%だった。
全体の遭難者の原因は道に迷った人が40・2%と最も多く、警察庁の担当者は「体力や経験を過信せず、安全な登山計画を立ててほしい」。今年も5月、新潟県で山に登った親子が行方不明になり、遺体で見つかった。都道府県別では、長野が遭難者327人、死者・行方不明者63人でいずれも最も多かった。
外国人の遭難者は、121人(前年比28人増)と、統計を取り始めた2013年の2・8倍になり、初めて100人を超えた。死者4人、負傷者40人だった。警察庁は日本を訪れる外国人が今後も増え、遭難も多くなるとみて「登る前に危険な場所や安全に下山できるルートを調べてほしい」と呼びかけている。
■安全な山登りのために警察庁が呼びかける注意事項
・体力や経験に合った山とコースを選び、日程を決める
・十分な装備と食料を用意し、余裕のある登山計画を作る
・滑落の危険がある場所や途中から下山できるルートを調べる
・気候に合った服装を選び、地図やコンパスを準備する
・単独登山を避け、信頼できるリーダーを中心に複数で登る
・登山計画書を家族や職場、登山口の「登山届ポスト」に出す
・視界や体調が悪くなったら来た道を戻り、登山を中止する
・GPS機能付きの携帯電話と予備バッテリーを持つ