緑の情報アラカルト
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京都・東山に「法然院の森」を訪ねました

京都・東山にある「法然院の森」を7月30日に訪ねました。この森で子どもたちとの環境学習活動を続けるフィールドソサイエティーに、その実践の歴史を『グリーン・パワー』の「守り人」欄で報告してもらっているご縁から、案内をしていただきました。

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●常緑樹の多いエリア。下草が少ないのはシカ食害の影響だという

 

 

この森は、「五山の送り火」で有名な大文字山から西にせり出した善気山に位置します。法然院の参道の脇から、著名人も眠る墓地を横目で見ながら山に入ると、ツブラジイが優占するしっとりした常緑広葉樹の森になっています。出発まもなくからなかなかの急登が続き、かねてより育てられてきたヒノキの森に到達したあたりで一休みしました。でも、ここに通う小学生の子どもたちは、きつい坂道もへっちゃらで登っていくそうです。

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●落葉樹の多いエリア。シカ対策のネットを施しながら、森づくりをしている

 

 

ここから先は、落葉樹の見られる谷の森を経て、尾根の森へと続きます。林床にはベニタケやテングタケの仲間のきのこが顔をのぞかせていました。また、歩いていくと人の気配を感じたのか、何匹ものヒグラシが木々の根元から飛び出していきました。過去にはマツ枯れやナラ枯れにも見舞われてきたようですが、今は被害も一段落して、尾根には自然実生から育ってきたという緑のきれいなアカマツの幼木を、たくさん見ることができました。

 

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●ウラジロノキの実。ムササビはこれを割り、中の種子だけを好んで食べる。左側にあるのが、その食べ痕

1時間余りの山歩きでしたが、林床には下草や稚樹の姿が見られない場所も多く、全国的に広がっているシカ食害の影響がここにも及んでいることを実感しました。このため活動は森づくりにも広がっており、植樹や防鹿柵の設置などを多くの市民や団体の協力を得ながら、進めているそうです。そんな森には生き物たちの暮らしもしっかり根付いているようで、ムササビがウラジロノキの種子を食べた痕跡も見かけることができました。キツネの巣穴も見つかっていますし、ふもとの法然院の池には初夏になると森から下りてきたモリアオガエルが、たくさんの卵を産むそうです。

 

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●「法然院森のセンター」の中で見つけた落ち葉のステンドガラス

法然院の前には、フィールドソサイエティーが事務所を置く「法然院森のセンター(共生き堂)」の建物があります。森から集められた動植物の標本や、それをもとに作られた装飾品などが並べられていて素敵です。銀閣寺や永観堂なども近い場所ですので、京都散策の途中に立ち寄られてみてはいかがでしょうか。

 

 

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