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精密な描写に驚き 牧野博士の植物図

%e7%89%a7%e9%87%8e%e3%82%a2%e3%83%83%e3%83%97牧野富太郎博士(1862-1957)の自筆の植物図を展示した「牧野式植物図への道Ⅰ-種の全体像を描くために-」を、練馬区立牧野記念庭園記念館で見てきました。牧野博士といえば、日本の近代植物分類学の基礎を築いた学者としてよく知られていますが、彼の植物図が実に緻密に描かれているのにはとても驚きました。

牧野博士の植物図は、①植物を精密に描く②種の典型を描く③文章と図で植物を表す、の3点を重視して独学で確立した手法であることから、「牧野式植物図」と呼ばれ、海外でも高く評価されたそうです。

展示されていた「ムジナモ」(モウセンゴケ科)の図は、部分図と解剖図合わせて68の図から構成されていました。「シコクチャルメルソウ」は、ネズミの毛3本で作ったという特注の筆を使って、線と線の間にある1㍉メートルの幅の中に5本の線が描かれています(写真は「シコクチャルメルソウ」図の部分です)。展覧会での絵の解説といえば、作品を縮小して説明を加えるのが一般的ですが、緻密な「牧野式植物図」の場合は、作品の部分を拡大して解説するという逆バージョンでした。

この展覧会は、牧野博士の出身地・高知県の県立牧野植物園で開かれた「牧野富太郎の植物図」の巡回展ということです。現在開催中の1回目は7月30日まで。2回目の期間は8月11日~10月9日です。(森林文化協会会員・倉坂益子)

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