緑の情報アラカルト
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和紙から作られた衣類

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●絹紙布風通紡絣織着物「竹園生」(桜井貞子作)。経糸に絹、緯糸に紙糸を使った布でできている

和紙を糸にして布が織られ、それを着物などの衣類に仕立てることができるのをご存じでしょうか。東京・王子にある「紙の博物館」で5月13日、そんな糸の制作実演会が開かれていましたので、見学に出かけました。

 

細く切った和紙を撚り、作り出された紙糸(かみいと)を織った布を紙布(しふ)と呼びます。軽くて肌ざわりも良く丈夫で、教えてもらわないと紙が原料とは気付かないくらいです。経緯の糸がともに紙糸ならば諸紙布(もろじふ)、経糸に絹や綿や麻などの糸を使って緯糸に紙糸を使ったものは絹紙糸(きぬじふ)などと呼ばれます。

 

実演会では、紙布作家の第一人者として知られる桜井貞子さんと妹尾直子さんが、紙糸の制作工程を順に説明されました。例えば、作務衣を1着作るとした場合、30枚ほどの和紙から時間をかけて糸を作る必要があるそうです。それでも絹や綿などが貴重だった時代には、和紙は衣類を作るための有用な原料の一つであったわけです。紡ぎ出される繊細な糸に、見学者はため息をもらしながら見入っていました。

 

 

紙の博物館では6月4日まで、「紙布~桜井貞子作品展~」を開催中です。また、森林文化協会が発行する月刊『グリーン・パワー』は今年、紙の博物館の小嶋昌美学芸員による連載「日本人の暮らしと和紙」を連載中です。

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