19.4.29玉原パトロール報告 「雪解けのミクロの世界」
大型連休のさ中、「利根沼田自然を愛する会」の古見満雄さんから群馬・玉原高原のパトロール報告が届きました。現地は雪解けが進み出し、ミズバショウの花も見られます。でも、参加した皆さんが熱心に探したのはとても小さな変形菌でした。その不思議な魅力を報告してくれました。

ルリホコリ
平成最後のパトロール報告です。
雪解けの頃に真っ先に動き出す、小さな小さな変形菌を求めて「変形菌研究会」の皆さんが、昨年の夏に続いて本年もやって来ましたので、現地の案内とまだ知識の浅い我々に指導をして頂きました。

子嚢が割れ胞子が飛び出す!
雪解けと共に姿を現す「好雪性変形菌」の代表的なものがルリホコリ類で、名前のように光の当たり具合で、瑠璃色に輝く宝石のような子実体を作る2mm程の小さな変形菌です。
ササや周辺の細い木々に子実体が張り付いていますが、乾燥が進むと子嚢が割れ胞子が飛び出すのです。そして胞子が発芽すると10ミクロンほどのアメーバーになり、バクテリア等を餌として生活をするのです。
変形菌は胞子を飛ばしますが、キノコでもなくカビでもない不思議なアメーバー動物なのです。ルリホコリに逢いたくてここ数日玉原に入山していたのに見つけることが出来ず、しかし研究会の皆さんは苦もなく探し当てます。凄い眼と感覚を持っている様子でした。
その他にキララホコリやホネホコリ等を探し当てて行きますが、参加していた小さな女の子が見つけた変形菌の種をラテン語で呼んでいたのには脱帽でした。
皆さん玉原が大好きな様子。我々も、知らなかった玉原の自然の奥深さを実感しました。
古見満雄
群馬県自然保護指導員 国有林野保護監視員
Nacs-J 自然観察指導員 森の博物館玉原楽迎員
利根沼田自然を愛する会 副会長

変形菌捜索中

ミズバショウ