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「海の森」が貯める「ブルーカーボン」

大気中の二酸化炭素(CO2)が海洋生物によって取り込まれ、海底の堆積物などに貯められた炭素を「ブルーカーボン」と呼びます。『グリーン・パワー』5月号で、ブルーカーボンについて報告してくださった港湾空港技術研究所沿岸環境研究グループ長の桑江朝比呂さんが9月29日、東京・虎ノ門で開かれた海洋フォーラムで講演されたので聞きに行ってきました。

 

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●大阪湾のアマモ場(朝日新聞)

海底の炭素と聞くと、はじめは深海の奥深くというイメージを抱くかもしれません。しかし、実際には浅海域に約8割が貯留されていると言われています。太陽の光を受けてアマモなどが育つ海草藻場、さらには海岸部に広がるマングローブ林などの下に、たくさんの炭素が長い期間にわたって閉じ込められるのです。こうした「海の森」の生態系を健全に保ち、炭素貯留の役割を高めることは森林文化協会としても大きな関心事です。

 

講演の中では、東京湾や大阪湾という都市海域も、年間を通じて大気中のCO2を吸収しているという最近の研究成果が紹介されていました。これまでの通説とは大きく異なる結果のように思えますが、果たしてどんなしくみなのでしょうか。ブルーカーボンに関しては、まだ陸上の炭素に比べると研究データが少なく、科学的な根拠をさらに補強していく必要があります。しかし、気候変動対策として捉えるには、研究の進展を待っていては時間不足になりかねません。私たちも、ブルーカーボンをめぐる動きにもっと目を向けていきたいものです。

 

※その名も『ブルーカーボン』と題した本が、桑江さんらによって書かれています。ご関心のある方は、どうぞご覧下さい。

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