ブックガイド

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●街なかの地衣類ハンドブック

大村嘉人 著  文一総合出版 1400円+税

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中世のヨーロッパでは、ロウソクを黄色く染める色素を地衣類から集めた。今も理科の実験に使うリトマス試験紙は、地衣類の成分を抽出して利用している。この本では、そんな地衣類の中から身近な街で目にする機会の多いものを中心に58種を取り上げ、形態や構造について、豊富な写真を示しながら解説している。

 

ページをめくっていくと、あれ?、と思う人が多いかもしれない。よく目にしてきたであろう、木の幹についた「ゴミ」も、コンクリート壁についたオレンジ色の「汚れ」も、実は地衣類だったのだ。その驚きこそが、地衣類を知る第一歩になっていく。

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