ブックガイド
●鳥のいる地球はすばらしい 人と生き物の自然を守る
国松俊英・著 関口シュン・絵 文溪堂 本体1300円+税
児童文学作家として自然や歴史に関するノンフィクションを数多く手掛けてきた著者が、どのようにして野鳥をはじめとする自然と向き合ってきたのか、その半生の活動をまとめた。現在は国内各地で確認されるようになったセイタカシギも、まだ1970年代には極めて珍しい鳥だった。その鳥が1978年に東京湾で初めて繁殖した様子を観察したことがきっかけで、夢に描いていた児童文学の世界に飛び込んだ。文章を書く上で選んだ主題の多くは野鳥だった。当初はセイタカシギと同様、干潟に生息するシギ・チドリを追い、やがては山野にすむオオタカやトキなどにも目を向けて、今も関心を持ち続けている。
著者は最後に、こう書いている。「鳥のすむ地球はすばらしい惑星です。鳥はその愛らしいすがたやさえずりで、わたしたちの心をいやしてくれるだけでなく、勇気や力もあたえてくれます。そして、世界や環境について多くのことを教えてくれるのです。鳥たちとは、地球にすむ一員として、親しいなかまとして、これからもつきあっていきたいと思います」