ブックガイド

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欅(けやき) ものと人間の文化史176

有岡利幸 著 法政大学出版局 本体3000 円+税

book%e6%ac%85%ef%bc%88%e3%81%91%e3%82%84%e3%81%8d%ef%bc%89sケヤキは日本で最も大きく育つ落葉広葉樹の一つと言え、国土の風景を彩りながら、生活や文化の様々な面において、日本人の暮らしと関わってきた。縄文時代から杭や舟の材料に使われたし、昔話にだって登場する。現在もなお建築や家具製造などの分野で根強い需要がある。今や一番身近にケヤキを感じられるのは街路樹かもしれない。仙台の青葉通りや東京の表参道の並木は、その街を代表する景観にまでなっている。

著者は国有林業務に従事していた経験を持ち、ケヤキ育林に関する章で締めくくられている。この冬、渡り鳥のアトリの群れがケヤキの木に来ているのを見た。伸びた枝の先端部に小さな実ができるので、それをお目当てに集まっていたようだ。ケヤキの林が育ち、よみがえってくれば、自然も私たちの暮らしも豊かになるだろう。

(「グリーン・パワー」2017年2月号より)

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