ブックガイド

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●樹に聴く 香る落葉・操る菌類・変幻自在な樹形

清和研二 著 築地書館 本体2400円+税

樹木が子孫に伝える生き残り戦略

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種子が発芽し徐々に大きくなっていく。樹木の一生でこの時期が最も危険だ。樹木は子どもの面倒をみることはできないが、少しでも生き残れるよう、様々な仕組みを種子に持たせている。

風や水に運ばれるよう種子に翼や毛をつける。果実の色が派手で味がおいしければ、鳥が遠くに運んでくれる。地中の病原菌(カビ)は胚軸を腐らせるが、共生関係にある友だち「菌根菌」を子どもに「紹介」し、生き延びさせようとする樹木もある。

大学教授である著者は数十年にわたり森林を研究。日本列島で見かける12種の植物(樹木とササ)を取り上げ、たくさんのイラストともに知られざる生活史を解き明かした。樹々と人間が共存するために、「樹々の身になって声を聴き、気持ちを代弁したい」という思いが込められている。

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