ブックガイド

ブックガイド

●樹木と名字と日本人  暮らしの草木文化誌

有岡利幸 著   八坂書房   本体2700 円+税

名字になった身近な樹木

EPSON MFP image

名字には草木の名が入っているものが多い。名簿などを頼りに著者が調べたところ、62種の樹木名を含む名字が469種類、36種の草竹名を含む名字が173種類見つかり、樹木名が草竹名を大きく上回っていた。

江戸時代に名字を持つことを許されたのは、武士や公家など特別な人たちだった。庶民が名字を持つことを許されたのは明治になってまもない1870(明治3)年だそうだが、多くの人がためらったため1875(明治8)年になって義務化されたという。

そこで身近な樹木名が名字に使われたわけで、筆頭格が「松」。松田さんや松井さんに高松さんもいる。青木さんや藤原さんも樹木名を含むとあり、思わず「そうだった!」。名字について書かれたのは10章のうち1章だけだが、暮らしと植物の関わりを掘り下げた他章の内容も興味深い。

PAGE TOP