ブックガイド
●高齢里山林の林業経営術 木材とお宝植物で収入を上げる
津布久隆 著 全国林業改良普及協会 本体2300 円+税
「広葉樹林を見直す社会に」
広葉樹主体の里山林は、かつて生活に密着した存在だった。手をかける所有者はもう少ないし、伐採しても木質燃料となるか、ひどければ、ごみ同然に扱われかねない。しかし、今でも意欲さえ持てば価値ある利用ができる。これは里山林でもうけるための現代の指南書だ。取り上げられている樹種は、ナラ類やサクラ類、シイ・カシ類、そしてクリ、ケヤキ、ホオノキ、ミズキ、カエデ類など多岐にわたる。こうした木は、時に高値で取引される銘木となるし、高級な炭の原木や特別な用途に適した材として一定の需要がある。林床に育つ他の灌木にも使い道があり、収入に結び付く。
そのために、どんな施業をして、どのように販売すべきなのか。「広葉樹林を見直す社会に」との思いを抱く著者が、豊富な写真付きでそのノウハウを伝えている。