ブックガイド

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●ブルーカーボン ―浅海におけるCO2隔離・貯留とその活用―

堀正和・桑江朝比呂 編著  地人書館 本体3200円+税

%e3%83%96%e3%83%ab%e3%83%bc%e3%82%ab%e3%83%bc%e3%83%9c%e3%83%b3s「ブルーカーボン」とは、地球温暖化に関わる温室効果ガスのうち、海洋生物の作用によって大気中から海中に吸収された二酸化炭素(CO2)に由来する炭素のことを指す。CO2の吸収源としては、熱帯雨林など陸上の植生が大きな役割を果たすと考えられてきたが、国連環境計画(UNEP)等により2009年に発行された報告書が、アマモなど浅海の海洋植生が陸上植生と同等の働きをしていることを示して以来、大きな注目を集めている。

 

この本は、CO2が大気から海に吸収されて堆積物となるまでのプロセスを科学的に解説するとともに、温暖化対策としての活用法や、国際的な将来展望などを紹介している。諸外国に比べて日本は、ブルーカーボンを政策としての位置付けることに後れている。そうした理解が進まないが故に、沖縄県の辺野古沖を埋め立てるなど、今なお、貴重な海草藻場を破壊する行為がなされているのだろうか。ブルーカーボンを知ることで、人が浅海域へ向けるまなざしは確実に変わっていく。

 

「森は海の恋人」と呼ばれるように、森と海は密接につながっている。森に関心を寄せる立場からも、ブルーカーボンへの理解を進めていきたい。

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