ブックガイド

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●栗の文化史 日本人と栗の寄り添う姿

有岡利幸 著 雄山閣(生活文化史選書) 本体2800 円+税

book%e6%a0%97%e3%81%ae%e6%96%87%e5%8c%96%e5%8f%b2s秋の味覚の代表格を、栗だと考えている人は案外多いのではないだろうか。今でこそ果樹として位置付けられているが、でんぷんが豊富で食料としての価値が高く、主食とも呼べた時代や地域もあったらしい。縄文から現代に至るまで、人による栽培が続き、神事や仏事の供え物ともなっている。一方、水に強く腐朽しづらい建材としても、その木は長く使われてきた。生活に密着していたから、昔話や俗信の中にも登場する。

 

幅広い時代に関連した文献を基に、植物と日本人との文化史的な側面を紹介してきた著者が、栗についても豊富な話題を取り上げている。栗拾いに出かけて、いがの中から栗の実を取り出す時はいつも鋭いとげに悩まされる。ところが、世の中にはとげなし栗もあることを、この本で初めて知った。栗についての「発見」が詰まっている。

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